ドイツワインの格付けワインのランク付けは特殊であり、主にブドウの収穫時の糖度により決定される。
ドイツワインの格付けには大きく分けて３つ。
Q.b.A(QbA:上質ワイン)とQ.m.P(QmP:肩書付き上質ワイン)、Tafelwein（並級ワイン）である。
上記は主に甘口ワインの等級であるが、これら以外にも
辛口ワインのトロッケン、中辛口のハルプトロッケン、さらに2000年からクラシック、セレクションといった等級もあります。

また同じく2000年に、ドイツ高級ワイン生産者連盟及びその地区組織がの高級辛口・甘口ワインの標章を設けています。
グローセス・ゲヴェックス - 超1級畑認定の高級辛口ワイン。
エアステス・ゲヴェックス - VDPラインガウが1級畑と認定した高級辛口ワイン。
エーデルズス・スピッツェン - VDPラインガウが1級畑と認定した高級甘口ワイン。
エアステ・ラーゲ - VDPモーゼル＝ザール＝ルーヴァーが認めた1級畑の高級辛口及び甘口ワイン。

Q.b.A(QbA:上質ワイン)

QBA
クヴァリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビート (Qualitätswein bestimmter Anbaugebiet、QbA)。
単に「クヴァリテーツヴァイン」(Qualitätswein)と呼ばれる。
また、QbAはクーベーアーと読みます。
QmPでは認められない補糖を行うことができる。
日本にはほとんどQbA以上のワインしか輸入されてませんので、QbAが実質一番下のランクです。

Q.m.P(QmP:肩書付き上質ワイン)

プレディカーツヴァイン (Prädikatswein) - 2007年7月までの旧称は「クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート」 (Qualitätswein mit Prädikat、QmP)。
ドイツワインの公的分類は他の国と比べるとやや特殊であり、この「肩書き付き上質ワイン」は分類の最高位にあたる。
以下の6つの「肩書き」（Prädikat）があるが、「アイスヴァイン」を除いて、原料葡萄果汁の糖度によって分けられる。

カビネット
Q.m.pの中でもっとも糖度が低いワインで、熟した果実から作られます。
最低67エクスレ度（モーゼル地区）から85エクスレ度（バーデン地区ルーレンダー種）で地域によって異なる。

シュペートレーゼ
遅摘みした葡萄より造られるワインで、普通より最低でも１週間以上遅く収穫され、地域の決められた糖度をクリアしたブドウが原料となります。
最低糖度は76エクスレ度（モーゼル地区リースリング種）から92エクスレ度（バーデン地区ルーレンダー種）で地域によって異なる。

アウスレーゼ
充分に熟した房を選りすぐって作られるワインで、シュペートレーゼよりも一層気品のある凝縮したワインです。
大半がやや甘口から甘口となり、ワインだけでじっくり楽しめます。
最低83エクスレ度（モーゼル地区）から105エクスレ度（バーデン地区）で地域によって異なる。

アイスワイン
11〜12月の気温が下がり葡萄が氷結したときに素早く摘み取られ、窄汁して造るワイン。
氷結しないで腐敗してしまうこともあり、危険負担が大きい為、造れる蔵も少ない。

ベーレンアウスレーゼ
超完熟の果粒のみを一粒一粒丹念に摘み取られるワイン。
貴腐ブドウを使用して作られることもある、極甘口のワイン。
最低110エクスレ度（モーゼル）から128エクスレ度（バーデン）で地域によって異なる。

トロッケンベーレンアウスレーゼ（貴腐ワイン）
貴腐ワイン。
ドイツワインの最高の等級のこのワインは、貴腐菌が発生する最適な天候状態の年のみに造られます。
ほとんど干しブドウ同様になったブドウから造られる。
濃い金色に耀く甘露な一滴は世界最高のデザートワインといわれ、大変長命で驚くほど高価。世界三大貴腐ワインのひとつ。
最低150エクスレ度（モーゼル地区リースリング種）から154エクスレ度（バーデン地区ルーレンダー種）で他の肩書きに比べてすべての生産地にほぼ共通した水準となっている。

その他

ターフェルヴァイン
日常消費用のワインで、ドイツ産のワインを使用しなくとも名乗ることができる。
ドイツ産のものは、「ドイチャー・ターフェルヴァイン」(Deutscher Tafelwein) と呼ばれる。

ラントヴァイン
1982年に設けられた分類で、「地酒」的な存在である。

辛口ワイン用

トロッケン（辛口）
１リットルあたりの残糖（発酵を終えた後に残された糖分）が９グラム以下の場合に表示することができます。
この場合，ほとんど甘味を感ずることがありません。
辛口のワインは上質ワイン（Q.b.A.）からアウスレーゼクラスまで造ることができます。
ラベルに"Auslese trocken" と表示されていたらアウスレーゼクラスの辛口ワインであることが分かります。

ハルプトロッケン（harbｔrocken，中辛口）
１リットルあたりの残糖（発酵を終えた後に残された糖分）が１８グラム以下の場合に表示することができます。
この場合，ほんの微かに甘味を感ずることができます。
中辛口のワインは上質ワイン（Q.b.A.）からアウスレーゼクラスまで造ることができます。
ラベルに"Spaetlese halbtrocken" と表示されていたらシュペートレーゼクラスの中辛口ワインであることが分かります。


２０００年産以降のスタイル表記
ワインのスタイルを表すとともにワインの品質（生産地域，葡萄糖度・品種，収穫方法）などについても詳細な規定があります。
２０００年産以降、暫定期間を経て「辛口ワイン」の表記は「クラシック」「セレクション」の２種類に統一されていく予定です。

クラシック（Classic）
クラシカルな，その産地特有のぶどう品種から造った高品質のワインであることを示し、 味わいはしっかりとして力強く香りが高く均整とれた辛口であることを意味します。

セレクション（Selection）
ドイツの最高級辛口ワインの呼称として用いられます。
１３生産地域の指定された単一畑で指定された葡萄品種を収穫量を抑制し手摘みして醸造される高品質なワインのみが名乗ることを許されます。
なお収穫年の翌年の９月１日以降に瓶詰めすることも定められています。

ドイツ高級ワイン生産者連盟（VDP）の格付け

グローセス・ゲヴェックス / エアステス・ゲヴェックス / エーデルズス・スピッツェン / エアステ・ラーゲ /